上級者が勝負どころで強い理由は、メンタルだけじゃない | ゆうゆーのテニスメソッド

上級者が勝負どころで強い理由は、メンタルだけじゃない

強い人って、勝負どころで本当に強いですよね。
まぁ、勝負どころで強い人を「強い人」と呼ぶのかもしれませんけどね。

例えば、スコア自体は6-4のような競った試合が多かったとしても、結局は勝っている。
つまり、5-4といったようなビッグゲームを必ず取っているわけです。

こんな人を見ると「メンタル強いねー」と言いたくなりますが、この勝負どころでの強さの秘訣って本当にメンタルだけだと思いますか?

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私は、そうは思いません。
もちろんメンタルの強さだって大きく関わっているとは思いますけどね。


例えば、私がよくやる戦略です。

先に挙げたような(1セットマッチで)5-4でリードした次のゲーム、絶対に取りたいですよね。
ここで自分のサービスゲーム、サーブの組み立てを工夫してみます。

まず、ファーストポイントでフォア側へのノータッチエースを狙います。

基本、バックよりもフォアが得意な人が多いので、サーブは無難にバックを狙う人が多いです。
これは当然の選択で、バックならば仮にコースを読まれてもリターンエースを取られることはまずありません。私も普通はそうします。

なので、だいたいの人はリターンの時にバック側よりもフォア側を少し空けて構えています。
バックを狙われることが分かっているのに、バックを空ける人は普通はいませんから。

そしてここが狙い目で、基本的にはさっき述べた通りサーブは相手のバック側に入れておいた方が安心なのですが、ノータッチエースを狙うとなると話は別です。
相手の届かないところに打つべきです。
届かないところとなると、当然フォア側です。

サーブを相手のフォア側に打つのは諸刃の剣で、読みを外せればノータッチエースが取りやすいコースである反面、読まれると思いっきり叩かれてリターンエース、なんてことも有り得ます。
だから、サーブを相手のフォア側に打つ時に読まれないようにすることは鉄則なのです。

そのゲームのファーストポイントでフォア側にエースを狙いに行く理由は、相手はこちらのサーブにまだ慣れていない(≒読まれていない)という、エースが取りやすい条件が整っているからです。

ただ、次のポイントからは決してフォア側に打ちません。
15-0、15-15、15-30、30-30、40-30、と息が詰まる展開になって、サービスエースを狙いたくなる場面が何度も訪れますが、ここはぐっと我慢してバック側へ入れておきます。

ちなみにサービスエースを狙うことは、ラリーの中でエースを狙うこととは少し異なります。
ラリーの場合はミスすると失点ですが、サーブ(ファーストサーブ)の場合はミスしても次(セカンドサーブ)があるので、心理的には幾分楽な気持ちでエースが狙えるのです。
だから、シーソーゲームで辛くなってくるとどうしても体力を使わずに楽をしてポイントが取れるサービスエースを狙いたくなるのですが、そこをしっかり我慢するのです。

そして、追いつかれて40-40(ノーアドバンテージだったとして)になった時に、満を持してフォア側にノータッチエースを狙いに行くのです。


この戦略の意図を説明します。
このゲームのファーストポイントでフォア側にサービスエースを狙っていますから、次のポイントからは相手は当然フォア側を警戒します。
ただ、その後バック側を狙い続けていると、相手はだんだんとフォア側への警戒心が薄れてきます。
つまり、バック側を狙い続けている限り、後のポイントになればなるほどフォア側へサーブを打った時にエースになる確率は上がってゆくと考えられます。

仮に40-0でマッチポイントを握ったとしても、絶対にフォア側へエースを狙いにいってはいけません。
どっちにしてもあと1ポイント取らなければ勝ちはないのですから、サービスエースの確率が一番上がる40-40までフォア側へのサーブは温存しておくのです。
40-40になるまでにどこかで1ポイント取れればラッキー、運悪く40-40に追いつかれてしまったら、ここでようやく伝家の宝刀(フォア側へのノータッチエース狙い)を抜くのです。

野球で言うなら、ストレートでファーストストライクを取りに行った後、カウント2-3になるまではずっと外角にカーブとかスライダーを投げ、2-3になった時点でズバッと内角にストレートで三振を取りに行くようなものです。
同じ球速・キレのストレートでも、カーブやスライダーに目が慣れたバッターと、ストレートに目が慣れているバッターでは、三振の取れる確率は大きく違うと思いますが、それと同じです。


サーブの配球一つにしても、こういうことを考えてやっているのですから、そりゃあ40-40のようなビッグポイントでの得点の確率は上がって当然でしょう。
私はこういう勝ち方を今までに何度も経験してきました。

そのたびに「あそこであのサーブが打てるなんて、メンタル強いねー」などと言われたりしますが、心の中で「メンタルの一言で片づけてほしくないなぁ」と思いつつ、「ありがとうございます。いやー運が良かったです!」なんて返事してますけどね。

もちろん、上手くいかずに最後のノータッチエース狙いの渾身のサーブがフォルトして、結果負けてしまうこともザラにあります。
ただ確率の問題で、こういう意図を持ってサーブを打っているのと、その場の思いつきでサーブを打っているのでは、何十、何百試合と繰り返した時に明確な差となって表れること間違いなしです。
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コメント

参考になりました&ご教示ください
ゆうゆー様 はじめまして。私もテニスが趣味で、社会人になってから始め、今はスクールに週1~2回通いながら、インスピリッツの男子シングルスやミックスダブルスに出ています。かつては東京都実業団の下部(9~10部)にも出ていました。

試合の重要な場面で弱気になり、ダブルフォールトなどのミスを犯してしまう。これまで何度もそんな経験してきましたが、上級者の方はそういうポジティブな思考で臨まれているのですね。非常に参考になりました。

さて質問です。インスピでオープンに出始めたのですが、一気にレベルが上がり、なかなか勝てません。苦手なフォア側を狙われて返球が浅くなったところを打ち込まれて攻略されることが多く、思い切ってフォアハンドの改良に取り組もうと考えています。

現在はかなり厚い握りのワイパースイングで、テークバックも大きいので、振り遅れたり、強く返球ができなかったりします。テークバックを小さくしてなるべくコンパクトな打ち方にする。グリップチェンジをなるべくしなくて済むように、握りも薄くしようかとも検討しています。改良の方向でアドバイスがありましたら、よろしくお願いします。
Re: 参考になりました&ご教示ください
JNさん、はじめまして。

そうですね、フォアハンドが苦手な方で本当に強い方はほとんど見たことがありませんので、ぜひフォアハンドの強化に取り組まれるべきと思います。

とはいえ、学生ならばともかく社会人になって、それもかなり経験を積まれた後でグリップを変えるような大幅な変更は容易ではありません。
ちょっとした意識(例えばボールへの入り方や、軸足の意識など)を変えるだけで全然感覚が変わったりしますので、まずはそういう部分から取り組まれてはと思います。
逆に、グリップやフォームを変えても意識の持ち方が同じであれば結局、苦手意識は消えないということもよくありますね。

フォアハンドが苦手ということは、おそらくバックハンドは得意なんだと思います。
次の次くらいにアップする記事なのですが(既に投稿予約済みです)、利き目と軸足の考え方が参考になるかもしれませんので一度お読みいただけたらと思います。

また一般論になりますが、振り遅れの原因はだいたい準備が遅いことにあります。
テークバックは大きくても構いませんが(私もフォア得意ですがテークバックはとても大きいです)、早く引くことは大事ですね。
相手が打った瞬間、引き始めるくらい早くした方がいいです。

あと、基礎的な話ですが素振りはむちゃくちゃ大事だと思います。
家でもできますので、ぜひ継続的にフォアハンドの素振りをされてはいかがでしょうか。
No title
ゆうゆー様 ご回答いただきまして、誠にありがとうございます。大変参考になりました(ご指摘の通り、バックハンドの方が得意です)。株式投資のツイートも参考にさせていただいています。今後ともよろしくお願い申し上げます。
Re: No title
テニスの技術面においては「感覚」というものがとても大事なのですが、それを言葉で伝えるのはとても難しいので、(こう言ってしまえば身も蓋もないですが)実際のところ自分であれこれ考え試しながら感覚をつかむしか結局は分からないと思います。
とはいえ、何らかのヒントになるような情報がここで提供できれば幸いです。

ツイートも見ていただいてるんですね。
株式投資もテニスも根本の考え方などは共通点があったりして面白いです。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。

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